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hitoshi kawai

Experiences & Experiments

Vagner

8/10/2018

 
アスンシオンの日本大使館を出て、また5時間バスに揺られて、国境付近の小さな町に向かいました。
ジュニオの友達が住んでいたからです。
ヴァギネル(名前)の小さなログハウスに、一泊させてもらいした。
国境付近は赤土です。
道路も舗装されておらず、到着した時はすでに夜でした。
赤土はパウダー状で、砂埃が酷かったです。
赤く血に染まったような月を初めて見ました。
風が吹いている訳でもなく、穏やかであっても常に砂埃が舞っているからです。
そう分かっていても、不気味でした。

「なんと不吉な、これ以上の災難はよしてくれよ」

​と呟きながらヴァギネルの家にお邪魔しました。
好奇心旺盛なジュニオは、ちょっと辺りを散歩してくる、と出て行きました。
ヴァギネルはとても優しく、

「心配しなくていいよ、来週また国境に来たら俺がガイドしてあげるから」

​彼の助けで、またパラグアイに来る事にしました。
実は帰りのバスは翌日の朝6時半発で、5時半にはタクシーでバス停に向かわないといけません。
ヴァギネルと、4時に起きるくらいで丁度いい、と話し合ってました。
とにかく疲れてました。
早く寝たい。
でも、ジュニオが中々帰って来ない…
実は田舎の小さな町は、住所すらありません。
郵便物は最寄りの店に預けられるそうです。
街灯もほぼ無く、家の灯りを頼りに歩くみたいな感じです。
そんな中、好奇心旺盛過ぎるジュニオは、道に迷ってしまいました。

「ジュニオよ…いつも考えが甘過ぎなんだよ」

「そんな事言っちゃいかん。こんなに手伝ってもらっといて…」

「大丈夫かな?変な奴らに捕まってないかな…」

などと疲れと眠気と心配で頭が混乱してました。
​
12時過ぎになってようやく、彼は家に帰って来ました。
憔悴し、いつものお調子者ジュニオではなく、反省気味だったので、敢えて責めませんでした。
腹が減ったと、それから何か食べて、シャワーを浴びて、さあ寝るぞという時に…
目覚まし時計は誰が持つか?という話になり、晩飯を食べていつものお調子者に戻ったジュニオが、俺に任せろと、時計を奪いました。
僕は不安でした。
結局寝たのは2時過ぎになっており…
案の定、ジュニオは6時半に目を覚まし、僕とヴァギネルを起こしました。
バスは6時半に出発するのに…
彼を信用した自分が悪かった。
同時に、昨日からの悪夢はまだ終わってない事に気づきました。
それから急いで支度し、ヴァギネルに礼を言い、そしてまた来週宜しく頼む、と言って別れました。
タクシーを探して赤土の道を走りました。
でも、そもそも田舎なのでタクシーなんて見当たらず…
疲れと、睡眠不足と寝起きのままで、赤土の砂埃をまき散らしながら、走り、探しました。
やっと見つけたポンコツのメルセデスに乗り、バス乗り場に向かいました。
すでに7時半を過ぎてます。
もう走らなくていい、という安堵もつかの間、もうアカンという思いに狩られました。
タクシーの中で、あれこれ考えました。
さすがにもうバスは出発してしまっただろう、しかしその他にも…

「どうしよう、またチケット買わないといけないのか?」

「買えたとしても、出発は数日後だろうな」

など色んな思いが交錯しました。
バス停に近づいて、道路をふと見たら…
なんと、奇跡的にそのバスがタクシーとすれ違ったではありませんか。

「うそ!まだいたの?」

と、急いでタクシーから降りて、ジュニオが追いかけて行きました。
僕はお金をドライバーに払ってから、後を追いました。
やっとの事で、赤信号で止まったバスを引き止め、乗り込み…
「お前らのことずっと待ってて、今出たとこだった。ラッキーだな」

と言われてしまいました。
2時間も遅れて出発するなんて、さすがラテンだなと。
そういう事もあろうかと、ジュニオは諦めなかったのか?さすが僕にはそこまでは思い付きません。
そんな時日本人なら、いくらなんでも待ってる訳ない、諦めようと思います。
こんな具合で、やっとの事で帰途に着く事が出来ました。
一体僕は何をしてるんだろう?
何も事が進まず、悪い事ばかり続いた旅の前半でした。

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