フェンダージャパンのテレキャスターを86年に買いました。
それ以来、「弾きにくいけれど、独特のクセが好き」で手放しませんでした。
好きなんだけど、ずっと格闘してるみたいな、そんな感じです。
でも今日、1年ぶりくらいにケースから出し、弦を交換して、磨いたついでに、いじってみました。
そして、あるパーツのねじを緩めたら、なんと!超弾きやすくなったではありませんか。
これまで僕の無知ゆえに、「弾きにくい」だの「格闘している」だのと、一方的に扱いにくい異性のように言っていたのが、ショックでした。
きっと僕はそういう所があるんだと思います。
つまり、思い込みで何年も損してしまうのです。
このギターは買ってから、33年も経ちました。
好きではいましたが、弾きやすくなるポイントは知りませんでした。
ちがうパーツをいじっては、依然として弾きにくく「どうしてこんな分からず屋なんだろう?」と愚痴っていました。
何か夫婦生活のようです。
結局、知らなかった僕が悪かったのです。
「これまでそんな事がよく起きてたんだな…」と今日やっと気づきました。
「33年も損した気分」と共に、自分の愚かさに愕然としました。
そして今日からテレキャスターがもっと好きになりました。
「今までごめんな…」とこれからずっと手放さないと思います。
ほんのちょっとした事で、相手に対する気持ちが全く変わるという事を体験しました。
ちょっとどこかを緩めるだけでした。
多分、僕もどこかを緩めるだけで、周囲が変わるのだろうと思います。
緊張をちょっと緩めるだけで、気持ちに余裕が持てます。
スピードをちょっと緩めるだけで、その瞬間を楽しめるようになります。
自分の変なプライドのねじをちょっと緩めるだけで、僕は付き合いやすい人間になれるのだろうと思います。