匂いは記憶と強く結び付けられています。
僕が落ち着く、懐かしく感じる匂いは…
雨が降り出した時のアスファルトや、工場の油の匂いなどです。
10代に過ごした家は、親父の小さな工場のすぐ隣でした。
だから生活の中にいつもあったんですね。
その匂いを嗅ぐと、
ブルース スプリングスティーンが浮かんで来ます。
工場労働者の応援歌みたいで、実は好きなんです。
15歳の時、フェンダージャパンのテレキャスター(ナチュラル)を買いました。
アメリカかぶれは彼の影響も一部あります。
でも、そのアメリカに行ったら、ジャズ系しか聴かなくなり、スプリングスティーンなど知らんって感じになってました。
よくあるカレッジのジャズスノッブ(もどき)でした。
留学生活最後の年だったと思います。
音楽科の資金集めライブをOBが企画したんですが、何とブルース スプリングスティーン トリビュートでした。
先輩たちとは以前にも、ギグに呼んでもらった事があり、また声をかけてもらえました。
「まさか今更スプリングスティーンをやるとは…」
興味も失せていたのですが、昔好きだった曲を、しかもアメリカで演奏するのは感慨深かったです。
リハーサルはボーカルの家のガレージでやりました。
何度か集まったんですが、覚えているのはピーコンパイが美味しかった事です。
毎回沢山食べたので、ライブでは「ギターはピーコンパイが大好きな、ヒトシ カワイ」と紹介されました。
それくらいしか覚えてません。
帰国して以来、スプリングスティーンをまた聴くようになりました。
土地にマッチする音楽を聴きたくなるのでしょうか…
マイホームタウンは農と工のバランスが売りなのです。
カントリーミュージックや、スプリングスティーンがよく似合います。
昔の
ヒットソングだけでなく、
あたらしめのも好きです。
メロディやアレンジがかっこいい訳でもなく、歌が上手いタイプでもありませんが、人間味があります。
ゴツゴツしていて、人工知能とか全然関係なさそうな所が好きです。
実は彼の弾くギターも、実に彼の歌そのもので、好きです。
テクニックとか無縁で、大味で荒削りなものも、やっぱり好きなんだなあと。
と言うか色々経験して、その良さがやっと分かるようになったんでしょう。
人生の真ん中まで来て、またスプリングスティーンを聞くとは思いもしませんでした。
今の僕はそんな感じです。
あなたはどうですか?暗い天気や
雨が降ったり、またその匂いから、どんな音楽を連想しますか?