「シドニーすごく気に入りました。やってみたいです」
「キヨスクみたいなのを考えてるんだ、そんなに難しくないよ」
当初、声をかけられた僕が、シドニーでお店を始めるというアイデアでした。
とはいえ何の経験もなかったので、まずは声をかけて下さった方のスーパーの惣菜部で教えてもらう事になりました。
その間、そのお店のコンサルタントの方がシドニーの話を色々と進めていました。
シドニーにも日本人のコンサルタントがいる事が分かり、協力して進めて行きました。
僕が一人で出来るわけがない、というか何が必要なのかも分からないからです。
そして2回目の視察に行った時の事です。
ウィンヤードという地下鉄駅のコンコースがリニューアルするとの事で、どんな感じか見に行きました。
弁護士を通し、興味を示しておいたのですが、それが契約できそうだという話だったのです。
実際に見ると、キヨスク規模ではなく、少し大きめです。
改札を出てすぐの良い立地です。
でも中を覗かせてもらうと、完全に更地でした。
居抜きでやればいいと思っていたのが、ゼロからのスタートとなると大掛かりです。
そんな経緯で一人では無理となり、兄や家族にも手伝ってもらう事になりました。
驚いたのは家賃で、当初月額10,000AUDでした。
でものちに消費税が加わり、そしてまた値上がりしました。
日本円でいうと、相場の上下があるので正確にはいえませんが、大体¥100万円になります。
大きさは、55平米でした。まあ日本の小さなアパートサイズです。
最高の立地、でもこんな家賃が高いのではリスキー極まりないです。
実際、僕がいた10年間では、近所であらゆる店が入れ替わりました。
だからお店をやるのは難しいのですが…
「弁当作って売ればいいだけでしょ?簡単じゃん」
何も知らない僕は甘く見ていました。
だから出来た、知ってたらやらなかったと思います。