パラグアイの移民局に着き、長い列に並びました。
カウンターが近づいた時、ジュニオが会話を聞き取ろうとしてました。
失望した顔つきでカウンターを離れる人たちを、何人か見ました。
僕と同じ要望で来た人たちが、断られていたようです。
ジュニオが帰りがけの人たちに尋ねると、やはりダメだったので…
そこは諦めて、別の所へ行く事にしました。
首都アスンシオンにあるのですが、さらに5時間バスに揺られなければいけません。
情報がないと、こんな感じです。
何をすればいいのか、何が必要なのかも分からないまま、人に訊きながら、それだけを頼りに動いてました。
政府のどの機関に訊けばいいのか、そんな情報すらなく、頭にもよぎりませんでした。
グーグルがあれば一発なんですけどね。
5時間バスに揺られ、ジュニオと一緒にアスンシオンの移民局を探しました。
地図を買って、歩き、訊ね、また歩き、また訊ねる…
そして、なんとかたどり着きました。
さすがに国境のカオスとは違い、首都らしく落ち着いた雰囲気でした。
それで期待したのですが、全く予期しない言葉を聞きました。
「このパスポートは失効期限6ヶ月未満だから、パスポートを作り直さなければできない」
僕はそんな事も知らなかったんです。
「パスポートはどこで作ればいいのですか?」
「日本大使館だ」
と言う事で、日本大使館を探し、またバスに乗りました…
首都なので大使館もあるだろうと、地図を見ながら、また人に訊きながら、歩きました。
さほど遠くなく、そこは広々とした地区で、大きな建物が並んでいた記憶があります。
各国の大使館があり、確か日本大使館は白かったような…
尋ねて見ると、大使館の人たちは優しく応対してくれました。
これには驚き、嬉しかったです。
ブラジルのクリチバにある日本領事館で受けたのと、全く正反対の応対でした。
「パスポートを作りたいのですが、お願いできますか」
初めて普通の日本語でやり取りでき、感動を覚えました。
でも感動したのもつかの間、すぐに失望に変わりました。
「はい、できますよ。必要なのが、運転免許証、写真…」
他にも何かあったかも知れませんが、覚えているのはそれくらいです。
僕はブラジルでは運転しないので、携帯してませんでした。
色んな知らない事が重なって、色々周りましたが、結局何もできずじまい。
ただ分かったのは、免許証を持ってくればいいと言う事だけ。
それで問題は、27時間バスに揺られ、そしてまた27時間かけてここに来るか?でした。
さすがにジュニオにまた付いてきてもらうのは気の毒だし…
ここまで奔走してくれたジュニオも、疲れた様子でした。
「どうしよう…」
一人で来れるだろうか?など色々考えると、困りました。