hkblog
  • Blog
  • support
  • Podcast
  • Guitar
  • About me

Minimal

10/17/2019

0 コメント

 
今では不可能なミニマルライフを経験させて頂きました。
それは1994~95年にかけての昔話になります。
振り返ると、僕の人生で当時が一番ミニマルでした。
​
ブラジルに1年住みました。
当時のブラジルは、日本で言うと1970年代のような感じでした。
まだ普通にレコードが売られてました。

家電、文房具、服、全てがポンコツなのです。
一応服だけは現地人のフリをするために買いました。
その他は買う気になれない3流品(しかも高い)ばかりでした。

だからモノは買わなかったです。
日本から持参した、スーツケース一つに収まるモノだけです。
服以外に持っていたモノは…

  • 財布
  • パスポート
  • カミソリ
  • 歯ブラシ
  • 爪切り
  • ポンコツカメラ
  • カセットのウォークマン(後半半年はMDを日本から持参しました)
  • ギター
  • アンプ
  • ペダル

無かったモノは…

  • 情報(ネットがない時代)
  • 電話(後半半年は日本からFAXを持参しました)
  • CDラジカセ(後半半年は日本からFAXを持参しました)
  • お金

今はスマホに色んな電化製品が集約されてます。
当時はそれぞれ単品の貴重品として、持ち歩いてました。
そして僕はそれらをほぼ持ってませんでした。

つまり服とギターとアンプとペダル以外は、ほとんど所持品がない生活でした。
当時は普通の家にも電話が無く、連絡取れません。
沢山の公衆電話がある建物まで、20分くらい歩いて行かなくてはなりませんでした。

毎週おんぼろバスに乗って小さな町へ出向いて、ライブをするという生活でした。
12時間くらいの旅で、木曜~日曜まで滞在し、帰宅します。
そんな生活です。

とても楽しく、新鮮な経験でした。
やりたい事を思い切りやって、その他は何もありません。
シンプル極まりない生活でした。

沢山の人と出会いました。
ネットもなく、情報はゼロでしたが、みんなに助けてもらいました。
自分では何もできず、人に頼るほかありません。

ポルトガル語も全く話せませんでした。
日系人の友達が二人いたのと、アメリカ人のファミリーがいたのは助かりました。
しかしそれ以外はポルトガル語しか通じません。

そんな生活でしたが、とても幸せでした。
ホームシックにもかからず、みんなに良くしてもらって寂しい思いはしませんでした。
情報がなく、何がどうなっているのかさっぱり分からなくても、毎日は楽しく過ぎていくのです。

ネット以前の、第三世界のブラジルで暮らせた事は、僕にとっての財産となりました。
最初の頃はまだハイパーインフレがありました。
常に値段が上昇していくのです。

スーパーの値札ステッカーが分厚く重ねてあったのに驚きました。
給料日にはみんながスーパーに殺到します。
日を追うごとに現金の価値が下がるからです。

だから僕は現金を所持する事もできず、かといってクレジットカードを使える店も当時はありません。
つまりお金のない生活でした。
お金が無くても幸せでした。

僕は観光ビザだったので、お金を稼ぐ事は出来ませんでした。
しかしバンド(アメリカ人宣教師家族+ブラジル人たち)に加入し、そのギャラの代わりに部屋と食事を支給してもらってました。
そんな経済状況だったので、給料をもらうより都合良かったです。

ブラジル人は、腐敗した政治家たちに国民は不信を募らせつつも、金以外の部分で幸せに暮らす術をマスターしていました。
家族が助け合う、教会の仲間同士助け合う、そういう人たちにアミーゴの文化を教えてもらいました。
今の日本に欠けているものは、そういう温かさだと思います。

スマホは便利です。
しかし便利とは人間関係を疎遠にするものかも知れません。
自分で調べれば事足りるからです。

人に尋ねるならば、「ググってから訊けや」と言われる始末です。
都合の良い時だけの関係となってしまいました。
人に迷惑をかける、手間をかける事を異常に嫌うようになりました。

そのくせ、歴史上最も孤独な時代でもあります。
自殺者、精神病の数がそれを物語ます。
ミニマルな生活でも、そんな孤独な思いをする人が多いようでは残念です。

僕としてはネットが仮に無くなったとしても、家族が共にいればそれでオーケーなのが分かってます。
妻と娘と仲良く暮らせる事がまず大切です。
ミニマルな1年間を思い返して、心からそう言えます。

スマホがあるからミニマルライフが出来ると言わずに、スマホなど無くても十分できると言いたいです。
僕もスマホの恩恵を受けている人間なので、なければ少しは困りますが、この世から消えてしまえばみんな諦めるでしょう。
もし可能なら、みなさんにもネットやスマホの無い世の中で、ミニマルライフをするのがどんなにいいか体験して欲しいです。



0 コメント



返信を残す

アマゾンで買い物する
楽天市場で買い物する



    メール送信はこちら
送信
過去の記事へ
クリエイティブコモンズに基づいて次から使用された写真: Thomas Geiregger, kertojanaani.fi, 305 Seahill, simplicityhunter, 305 Seahill, mrhayata, Kanesue, Courtney Emery, Mariam Marie, upslon, Olivier Bruchez, Ivan Radic, pratiproy, simplicityhunter, *PaysImaginaire*, Tom Marcello, Simon_sees, Kirt Edblom, Eli K Hayasaka, Bengt Nyman, InSapphoWeTrust, lorenkerns, plindberg, bernhard.friess, richzepol, Historyworks Photography, mrhayata, faungg's photos, ☻☺, coniferconifer, anonimus17, Supermac1961, Pawel Maryanov, Supermac1961, Jamie Smed, It's No Game
  • Blog
  • support
  • Podcast
  • Guitar
  • About me