商品の比較、調査をする雑誌を読んで驚いた事があります。
石鹸の業界で主流とされる商品、ブランドが確立されている商品にも関わらず、品質が最低というのがありました。
イメージに沿ったマーケティングで、平均的な人間は簡単に騙せる、という企業の奢りだと僕は感じました。
反対に最も安価で、しかもプライベートブランドの商品の品質がベストだったりしました。
それは顧客の声を反映させた商品でした。
安価で提供するために、商品のデザインは地味そのものです。
その点、平均的な商品は、人気商品もプライベートブランドも、判断しづらいです。
雑誌などで調べない限り、何が良いものか分かりません。
スーパーには様々な種類の商品が置かれており、どれも似ています。
何が違うのか良く分かりません。
うたい文句は色々と書かれていても、どうでもいい感じです。
無理にでも注意を引きたい、買わせたい意欲だけが虚しく伝わってきます。
それは平均的な人に向けて情報を発信しているからでしょう。
平均は総計を人数で割ったものに過ぎません。
でも人の趣向は細分化されました。
情報が出回っているからです。
以前は知らないから、あるものを買うしかありませんでした。
だから今、平均的なものを売るのは、難しい世の中になりました。
愚かな価格競争があるだけです。
知らない人、こだわりの無い人にだけ、平均的でどうでもいい商品を売れます。
つまりイメージ戦略で騙せるものです。
反対に、良いものを作っていれば、宣伝しなくても、誰かが紹介してくれる世の中になりつつあります。
昔は宣伝費をかけず、正直に作り続けるだけというのは、難しかったです。
商品によって得られる感情の体験を、宣伝で訴える必要がありました。
でもどの会社もその手法を使うので、宣伝では差別化できないジレンマがありました。
マーケティング(騙し)に長けた大企業が勝ちました。
しかし今や正直さはブランドです。
良いものであれば、応援してくれる人もいます。
つまり資本の無い弱者に優しい時代になりつつあります。
昔良いとされていたものは、実はそうでもなかった。
ただ知らないから買っていた、使っていた。
宣伝でイメージを刷り込まれていた、と気づく人は増えています。
今や誰もがまず情報を探し、自分にとって何がベストかを調査します。
主流はだんだん目減りしています。
人の趣味が細分化されたからです。
今ある主流と呼ばれるものは、何も知らない平均的な人間をターゲットとしています。
実はその商品は、どうでもいいものかも知れません。
なぜなら常に価格競争にさらされているからです。
どこでコストを削ろうか、その戦いだからです。
正直にものを作れるフィールドで勝負した方が、よほど健全で、勝ち目があるという事です。