大好きなピアニストが亡くなり、悲しいです。 ライル・メイズの功績はこれから正しく評価されていくでしょう。 パット・メセニーグループの音楽が真にユニークで、進化成長し続けられたのは、彼の偉大な才能によるものだったと。 パット・メセニーグループを初めて聴いたのは、1990年です。 ジャズを紹介してくれた、クリント・エリスという友人から、テープをもらいました。 初期のアルバムに特別な思い出があります。 抒情的で、あのような音は初めて聴きました。 春の朝もやがかった田園風景、幼い頃住んでいた家の周りの景色が、目の前に広がるのです。 聴いていて、なぜか懐かしい気持ちになるのです。 それは当時アメリカで一緒に住んでいた兄も、そのテープを一緒に聴きながら、全く同様の景色を感じていたのです。 すごく不思議な体験でした。 なので初期のアルバムから大好きになりました。 ライル・メイズのピアニストとしての演奏も好きです。 "San Lorenzo"や"Epic" で、初めてピアノソロというものに感動しました。 そして"James"や"Are you going with me ?"や"Minuano" など、大好きな曲はみんな彼がムードをセットアップします。 「パット・メセニーグループのサウンドは、ユニークなものだ」と誰もが言います。 イントロだけでそれと分かる多くは、ライル・メイズの音です。 彼の繊細な音の作り方、演奏などが、パット・メセニーのギターが入らずとも、あの雰囲気に引き込むのです。 もうあれが聴けないのは寂しいです。 実は、このところ何年も敢て聴かないように努めていました。 聴くとどうしても、自分の演奏に何かしら出て来てしまうので、封印してます。 追悼の意を込めて、夕食と風呂の時間に久々に聴きました。 何とも言えない、あの情景がやはり浮かんできます。 子供の頃のものと、あとアメリカ時代の景色も滲んできます。 カレッジに登校する時、Pacific Coast Highway を走りながら、カーステのテープでよく聴いたものです。 ”Are you going with me ?" や "Have you heard ?"などは、僕のアメリカの風景でもあります。 初めて聴いたクリントの家や、僕が住んでいた家なども… たまらなくなって、先ほどクリントにメッセージを書いてしまいました。 「久しぶり、元気?ライル・メイズが亡くなって、とても悲しいよ。僕に彼の音楽を教えてくれて、本当にありがとう」 悲しいけれど、彼の音楽を知る事ができて、僕の人生はとてもリッチになりました。 本当に感謝です。
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