僕はギターを教えたり、教則本を書いたり、英語やポルトガル語の通訳のバイトをしています。ギターのアドリブと語学の習得はよく似ていると言われます。カギは、とにかく実践の場を確保する事なのですが、そのために必要なものとは?僕はどうやって身につけたか?
実はギターと語学はちょっと違ってました。
カレッジ時代は、ギタリストがあまりいなかったので、ホーンプレイヤー、ピアニスト、ドラマーから学びました。
「さっき弾いてたやつ、どうやってやるの?」
と疑問に思った事は質問しました。
もちろんギターの個人レッスンを受けたり、ピアノやサックスプレイヤーからもレッスンを受けた事もあります。
シドニー時代も共演者から学びました。
結局、現場で学ぶのが一番だと思います。
僕はその点ラッキーでした。
でも、多くの人の問題はその機会をどう得るかです。
実戦から学べるようになるためには、どんな練習するといいのか?
ベーシックな事にフォーカスするといいです。
コード、リズム、音色、簡単なフレーズでいいから、フレージングをしっかり磨く事。
そして周りの音をよく聞く事。
それらは人と一緒に演奏するために大切な事です。
でも、僕はそれに気づきませんでした。
遠回りするなら基礎をおろそかにする事です。
基礎の大切さに気づくのもなかなか難しいですが…
それはメディアのせいでもあると思います。
12歳でギターを始めた当時、雑誌にはメタルの情報しかありませんでした。
「ライトハンドをやればいいのか…」
「速弾きができればいいのか」
上手いと見なされるには、そういう弾き方をすれば良いという時代でした。
それで僕はそこそこ弾けるようになりました。
テクニック=派手なもの、難解なもの、という感覚でした。
ジャズを学び始めても、同じメンタリティで20代を過ごしました。
次第に迷路にハマりました。
ベーシックな事をおろそかにしていたからです。
それなりに基礎練習はしてましたが、その大切さが分からなかったのです。
とりあえずやるものだ、という感じでしっかりやらず、中途半端なものでした。
年を追うごとに基礎に戻る、という感じです。
でも目的意識があり、こだわりもあるので成長を実感できます。