ミニマリストの感覚がギターに影響を及ぼすか?と言えば当然です。
それは音の選択、デザインに関わります。
では音が極端に少ないのか?と言えばそうでもありません。
現在の自分のレベルで出来る音の選択以外あり得ません。
つまり正直にやる以外ありません。
取り繕うと不自然になり、逆にリスキーです。
僕の知る範囲では、晩年のジム ホールが最高峰です。
しかし僕はそれを目指してはいません。
ハイレベルすぎるからです。
僕は庶民派を目指しています。
ブルースとか分かりやすい言葉で、分かりやすく語りたいです。
そこにちょっとした捻りを加えるだけで十分です。
僕はアカデミックなタイプではありません。
そういうのはバークリーのものでしょう。
それも単なるイメージだけかも知れませんが。
僕は手持ちのネタを使い回す事に専念しています。
すごくベーシックなネタだけです。
その点で、ジョー パスもミニマリスト的です。
僕は彼のそんな所に惹かれます。
誰の目にもすごいと思う演奏です。
しかしそれは意外にシンプルです。
ジョーパスのテクニックで、難しいラインやコード、リズムを駆使したら、ミュージシャン以外はついていけないでしょう。
耳に馴染むビバップのラインや、普通のジャズコード、子気味良いシンコペーションと、プッシュ気味なスウィングで、誰が聞いても楽しいジャズに聞こえます。
それらが比較的昔のスタイルなので、ダサいという人もたまにいます。
でもどれをとっても極めるのは困難です。
シンプルなラインも、コードもタイミングも、磨きがかかっています。
ちょっと真似るだけでは、不可能です。
ジム ホールの少ない音を効果的にデザインするのは、ミニマリストとして分かりやすいです。
少ない音の中に、含みが沢山詰まっており、不思議な印象を受けます。
知恵深い空間の使い方を感じさせます。
ジョー パスの場合は、音は多くても、使っている素材がシンプルです。
聞こえてくる音が分かりやすいです。
分かりやすく、デザインされた演奏です。
僕は両方好きですが、人として捉えるとジョーパスの方がタイプです。
簡単な言葉で、アイデアや気持ちを伝える人の方が好きです。
その点、ジムホールは僕にとって永遠の先生タイプと言えるでしょう。