hkblog
  • Blog
  • support
  • Podcast
  • Guitar
  • About me

Humiliation

8/14/2018

 
大使館からそのまま移民局に行きました。
まだ午前中の清々しさを感じながら、ビルの中に入り…

ついにという気持ちでカウンターに向かいました。

「言われた通り、パスポートを用意しました。はい、どうぞ」

と白人中年女性に、出来立てのパスポートを手渡しました。
そして彼女はカウンターの奥に消えて行きました。
しばらくして、戻ってくるとガラス越しのカウンターから、こちらに出てきました。
彼女はスペイン語で何か言うのですが、僕の反応がないのを見て…

「お前、英語分かるか?」

いきなり怒鳴るので、呆気に取られました。

「はい」

「お前はここで何をしている?何のつもりだ?」


「ブラジルにまた戻ろうと思ってます」

「だめだ!お前のビザはもう終わる、更新などしない」

「いや、前来た時にパスポートを用意すればいいって…」

その言葉を遮り、

「だめだ、だめだ!本来ならここから強制送還したいところだが、10日間だけ許してやる。荷物をまとめて国に帰れ」
全く予期せぬ返答に、一瞬何が何だか分かりませんでした。
前回来た時にそうと言ってくれれば良かったのに、やはりこういうのは接客する人によって違うのでしょうか。
​
ビザの事はよく分かりませんし、とにかくそんなものなのかと。
食い下がって事態が悪くなるよりは、諦めるしかないと。
​
蹴飛ばされて追い出された訳ではありませんが、何だか自分が野良犬のように扱われたと感じました。
悲しかったです。

その後、少し放心状態で歩きながらも、色んな思いが巡りました。

「あれはもしかして、現金くれって言うサインだったのかな?」

​ブラジルではよく聞く話です。

「交通違反で捕まっても、現金握らせて、これでカフェでも飲んでくれよって言えばいいとか言うしなぁ…」

「でもそんなに現金持ってないし…」
惨めな気持ちにもなりました。

「やっぱ外国人って立場は、弱いよな」

「即刻、国に帰れかぁ。酷いよなぁ」

まあ確かに情報不足とは言え、結局僕が甘かったです。
自分の身分くらいしっかり把握しておくべきです。
人の言葉を信用した自分がバカでした。
彼らは責任取れませんしね、取る気もありませんが。

「大丈夫、大丈夫ってよー。何にも大丈夫じゃなかったじゃん…」
弟とヴァギネルとレストランでランチを食べました。
僕はその後の事はもう覚えていません。

「俺は一体ここで何をしているんだ…」

屈辱のアスンシオンとなりました。
情報がない故に、あれこれ回り、結局どうにもならなかった。
野良犬のように扱われて終わりました。
自分のバカさ加減にも腹が立つ。
弟がそばにいてくれた事だけが唯一の救いでした。
帰りはベロオリゾンテに直行せず、パラナ州クリチバ市に向かいました。
最初にお世話になった日系人家族に、お礼とお別れの挨拶をする為です。
パラナ州は少し南に位置しているため、冬は少し冷えます。
夜中、バスに隙間風が入るせいか、寒さに凍えて弟は全く眠れなかった事だけ覚えてます。
それ以外はもう何も覚えてません。

コメントの受け付けは終了しました。
アマゾンで買い物する
楽天市場で買い物する



    メール送信はこちら
送信
過去の記事へ
クリエイティブコモンズに基づいて次から使用された写真: Thomas Geiregger, kertojanaani.fi, 305 Seahill, simplicityhunter, 305 Seahill, mrhayata, Kanesue, Courtney Emery, Mariam Marie, upslon, Olivier Bruchez, Ivan Radic, pratiproy, simplicityhunter, *PaysImaginaire*, Tom Marcello, Simon_sees, Kirt Edblom, Eli K Hayasaka, Bengt Nyman, InSapphoWeTrust, lorenkerns, plindberg, bernhard.friess, richzepol, Historyworks Photography, mrhayata, faungg's photos, ☻☺, coniferconifer, anonimus17, Supermac1961, Pawel Maryanov, Supermac1961, Jamie Smed, It's No Game
  • Blog
  • support
  • Podcast
  • Guitar
  • About me