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Equipment

11/9/2018

 
モノではない、問題は人だ。
ブラジルにいた時、それを痛感しました。
何かの不足から、クリエイティビティや能力、筋力が刺激されたりするものです。
おもちゃが無いから、作る。
シューズも無い、公園も無い、でもサッカーしたい。
だから裸足で、路上でやる、それが彼らの普通。
足裏の筋肉が日本人とは比較にならず、球際に強いのが当たり前になります。
多くの教会には、まともな機材など無く、弦も錆びてました。
マイクもスピーカーも音が歪んでました。
でも心を動かすのは人でした。
機材は関係ありません。
​本当にそう思います。

テオという友達がいました。
よく演奏をしましたが、彼はバイーア州出身のネグロ(黒人)です。
彼の部屋に行くとよく、チープなヴィオロン(ナイロンアコギ)で弾き語りしてくれました。
リズムが凄く強力で、粗があるものの、それこそが味と言わんばかりの野性味を醸し出していました。
僕はただひれ伏すのみでした。
同じく、ノルデステ(東北地方)出身のジュニオは白人ですが、ベースを弾かせると、メチャクチャ前倒しのノリが強力でした。
本当にボロいベースを使ってました。
彼とは半年一緒に住んでましたし、ずっと演奏して旅した仲間です。
牧師の息子でもあった彼は教会で育ちました。
だからどの楽器もそこそこ弾けるマルチプレイヤーでした。
僕はと言えば、当時モノを持たなかったとは言え、CDラジカセを弟に持ってきてもらいました。
そしてMDを持ってました。
エフェクトはボスのマルチを使い、アメリカ時代から使っているフェンダーチャンプ12というアンプを使ってました。
ギターは今も使ってる、ヴァリーアーツ(ジャパン)のストラト。
それらの機材はブラジルでは非常に高価なものでした。
​庶民には手が届かないものでした。

ブラジルでは、まだカセットやレコードが普通に売られ、CDも有りましたが、多くはコピー、海賊版でした。
楽器だけでなく、音源の質や機材も非常に遅れていました。
でも、彼らを見ていて機材は関係ないとわかりました。
自分の中にある音を出そうとしているだけ。

そのための練習なのだと。
彼らの中には、ブラジルの色んなリズムを聴いて育った、沢山の引き出しがありました。
そしてリズムが良ければシンプルでも、音がチープでもオーケーなんだと。
彼らと一緒にいて、それを痛感しました。
今は当時よりもっと便利になりました。
情報が溢れ、誰でも学べます。
全体のスタンダードは上がりました。
でも、当時の僕が彼らを羨んだように、今も大して変わらないのかも知れません。
結局、際立つ個性というのは、少数なのでしょう。
外から取り込む情報を、どうやって自分のものに変換して出すか?
イマジネーションをフルに稼働できる環境が好ましいと思います。
その点、モノが不足している方が、有利なのかも知れません。
僕の場合、機材の進化によって、自分が変わる事はありませんでした。
むしろ、自分のものの見方が変わった時、全てが変わり始めました。

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