ブラジル人労働者によくこんなアドバイスをします。
「派遣会社は君がバカでいるほど商売繁盛するんだよ。そのために手厚くやってるんだよ」
つまり派遣会社に依存すればするほど、派遣会社はありがたいのです。
来日する前から派遣会社は、
などを手配してくれますが、ぼったくります。
そして来日すれば、
などが手配され、すぐに仕事に就きます。
最初の数か月は、来日にかかった費用を差し引かれます。
だから給料はほとんど消えてしまいます。
弁当もブラジル料理を用意してくれます。
周りはみんなブラジル人で、ポルトガル語で暮らせます。
仕事は単純作業で、次第にロボットのようになってしまいます。
派遣会社は、彼らを手厚くもてなします。
彼らのお客さまは労働者なので、当然です。
彼らが自由を得てしまったら、商売は終わります。
日本語が出来たら、自動車免許を取ったら、自分でアパートを借りたら、自分で仕事を探すようになります。
だから、至れり尽くせりなのです。
どこまでも便利に、どこまでも快適に仕事できるように配慮します。
そうすれば、どこにも行かないからです。
仕事がある間は、それで何の問題もありません。
しかし、少しでも景気が悪くなると、まず彼らが真っ先に解雇されます。
寮から追い出され、日本語も分からず、路頭に迷います。
仕事があるうちは、工場は何の要求もしません。
しかし、減ってくると、労働者を選ぶようになります。
日本人からすると、普通に見えるかも知れません。
しかし、全てのハードルを越えられる外国人は限られます。
だから僕はいつもこんなアドバイスをします。
「来日して最初の2,3年は出来るだけ苦しむ方がいい」
つまり、派遣会社に頼らず、給料が安くても、日本人の中で働いた方がいいです。
その方が日本語を習得できるからです。
そうすれば、後になって仕事を選ぶ事ができます。
それに、日本での生活をエンジョイできます。
言語の制限によって損をする、というのを僕はよく知っています。
僕も海外で生活し、辛い思いをしました。
だから便利だからといって、それに甘んじていると、大変な事になります。
便利さに依存すると、無力になってしまうからです。
ブラジル人たちは、派遣会社の便利さを買っている訳です。
つまりその分、給料から差し引かれています。
お金だけならまだしも、1日12時間~14時間も単純労働し、頭を全く使わず、何年も過ごしてしまうと、いざ日本語や新しい事を習得しようとしても無理です。
歳とともに肉体は衰えてしまい、同じ仕事でも若者に奪われて行きます。
でもこれはみんな同じです。
便利に頼り切ってしまうと、だんだん能力が低下し、いざがんばろうとしても、時すでに遅しです。
以前のように体も頭も動いてくれません。
便利に依存するとは、こういう恐ろしさがあります。
スマホやパソコンに依存すると、記憶力や集中力、思考力が低下します。
視力も低下します。
忍耐力も低下します。
だから便利さに依存しないように、敢て自分を制限する必要があります。
便利さは自分で選択しなければいけません。
自分が便利の従者にならないためです。
能力を廃らせないため、むしろ磨くためです。
より健康になるためです。
スマホをフル活用し、いかに便利に生きるか?という考え方は危険です。
ハイテク依存のコストは、自分自身の能力の低下です。
これからはむしろ、テクノロジーを選択して、いかに自分のために働かせるか?を考えるべきです。