白いTシャツが2枚ありました。
2枚とも全く同じものなのですが、1枚は780円、もう1枚は1万5千円で売る事にしました。
安い方はC(cheap)、高い方はE(expensive)というブランドをそれぞれ立ち上げました。
安い方にはCのロゴ、高い方にはEのロゴをつけました。
ショップに超大金持ちが現れました。
金持ち過ぎて、どうお金を費やそうか悩むほどの人です。
EのTシャツを見つけたあと、もう一つのCのTシャツも見つけました。
「どう見てもロゴ以外は同じだな…」
それは分かっていても、高い方のTシャツを買いました。
周りにいた客はみんな注目しました。
「EのTシャツ買ったぞ、やっぱり金持ちなんだなあの人」
他の客がCのブランドの安さを喜んで購入している間、金持ちは眺めていました。
「世の中に金が回るために、金持ちは同じものでも高額を支払わなきゃいかん」
それが出来る人、出来ない人を区別するのがブランドです。
Cブランドもロゴ以外は同じTシャツです。
お金の無い人たちにも買えるように、その値段がつけられています。
そして高額を支払っても余りある人たちには、高額を支払って世のためになるように値が付けられています。
Eのロゴはその証明で、本当は安いものでも高い金を払って社会に貢献している事のステイタスとなります。
でもこのストーリーでは終わらないのが現代です。
お金を持たない人は貯金して、ステイタスを買おうとします。
イメージはそれほど人に幻想を抱かせます。
それを所有する事で、そういう人になった気分に浸れるからです。
生活が厳しくなったとしても、自分をそう見せたい、幻想を味わいたいのです。
金持ちは世のために金を浪費すべきで、彼らのための高額バージョンがある。
金が有り余っているわけだから、本質的には同じものでも余計に払うべきだというのがブランドです。
その証をロゴで示してあげて、誰の目にもステイタスを明らかとするシステムです。
でもそうでもない一般庶民が、毎日の生活が苦しくなってもいいから買うというのはどうでしょう?
何かいい事があるか?
あるとすれば…
今のところそれは、就職、営業、昇進、結婚…自分を高く売るために使えるテクニックです。
だから無理しても、イメージ、幻想を買う。
それは投資だと言えばそうかも知れません。
でも時代も少しずつ変わってきました。
皆が同じ手法をするので、そのテクニックでは騙せなくなってきました。
もう普通なのです。
ROI(費用対効果)が悪くなってきました。
もう違う方法をする人も出てきてます。
その方がインパクトがあるからです。
その小手先の騙しが通じるうちは利用すれば良い。
なぜならお手軽だから。
でも時代は変わる事も理解しておくと良いでしょう。
同時に別の自分の売り込み方も磨く事が大切だと思います。
結局、どこで働こうが自分を売っているのです。
「いつか化けの皮が剝がれる」といいます。
ブランドを脱いでも大丈夫な自分、ブランドに頼らずともカッコいい自分の方がいいです。
外見で判断する人が多い中、写真(インスタ)以外のコンテンツで判断する人もかなりいます。
そういう人たちはストーリーを楽しんでいます。
僕はそのロゴを着て、街を歩けばブランドの宣伝していると考えます。
ブランドから宣伝料を貰えるなら着てもいいですが、高い金を払った上、宣伝するのはかっこいい事か?と考えます。