実は、マックス ローチ クインテットとのダブルヘッダーでした。
格付け的に言えば、ベニーグリーンは前座です。
でも、「ジャズを知らない人でも楽しめる」を確信したショー演奏でした。
もちろん、彼のピアノから学ぶ事は沢山ありました。
詳細な部分に目が行きがちなのですが、全体的なフィーリングに感動しました。
それはダイナミクス、フレージングだとか、スウィングなどによる部分が大きいです。
どの曲も思わず引き込まれてしまう、そんな感じでした。
やはり相当のテクニシャンだからこそ、フィーリングにフォーカスできるのでしょう。
まるで魔法のような演奏でした。
彼のトリオは1セットだけで終わり、ブレイクがあり、その後マックスローチクインテットでした。
そのブレイクの時に、ベニー グリーンは客席に混じって少し雑談してました。
そうかと思うと、またピアノに戻りました。
みんな雑談してますし、席を立ったり、ウエイトレスも忙しく動き回っているので、誰もベニーの事を気にしてませんでした。
すると彼は何やらブツブツ呟きながら、フレーズを何度か繰り返し弾いて練習するではありませんか。
察するに、ライブ中に上手く弾けなかったフレーズを思い出して、なぞっているようでした。
「クレイジーだ…」と思いました。
ショーが終わってすぐ、そうなのだとしたら、家では四六時中弾いてるのでしょう。
そんな場面を観たのは、後にも先にも彼だけです。
久々に彼の事を思い出して、書いているうちに、やはりテクニックは大事だと思いました。
彼のように溢れるフィーリングのためにテクを磨くべきだと。