視察でシドニーに訪れた際、その景色にやられました。 「なんて美しいんだ、ここに住みたい」と思い、シドニー移住を決意したものです。 ただ、最後までそこには住みませんでした。 そこには色んな思い出があります。 兄貴とゴルフに行った後に、カフェで朝食した事や、日本からの友達は必ず連れて行きました。 デートの思い出も… そのビーチは観光とは無縁で、地元人の憩いの場所でした。 夏のクリスマスには、地域のイベントがあり、シドニー最後の年には演奏しました。 毎年恒例だったらしく、それに関わっていた演奏仲間が、誘ってくれたのです。 普段は人の少ないビーチですが、地元の人で埋め尽くされ、坂道の上の方でパーキングせざるを得ないほど。 僕の場合、ギターと小さなアンプだけなので、それでも大丈夫です。 30分くらい前に到着し、坂を降りて、サウンドチェックを簡単に済まして、演奏しました。 最初はインストルメンタルで、(Put it where you want it 他)何曲かやりました。 その後、ボーカルも入って、(Danny boy 他)何曲か歌いました。 休憩の後、また数曲演奏しました。 バルモラルビーチロタンダ?という白い建物があって、結婚式の撮影も行われるような場所で、そこで演奏しました。 少し高くて、見渡しの良い所です。 左側に海、そして人の海を眺めながらという感じでした。 「地元に溶け込めた」自分を満喫しました。 こんな形で地元の楽しみに貢献して、お金がもらえるなんて、ありがたいなと本当に嬉しかったです。 その時は帰国など、微塵も考えておらず、この仕事をメインにする計画でした。 休憩中に「ヘイ、いい演奏だね!ところでどんなスケールを使ってるの?」と訊かれたのを覚えてます。 実は、他の仕事でもそういう事を訊かれた事がありました。 「いや、スケールは考えてなくて、コードしか考えてないよ」と答えました。 僕がやっていた仕事の多くは、結婚式や企業のパーティーでBGM的なものでした。 スーツを着たバンドが、ジャズを演奏しているクールな雰囲気が欲しい、というタイプの仕事です。 だからお客との接点はありませんでした。 でも、中には客との接点のあるライブなどもあり、そんな時は休憩中に声をかけられた事もあります。 思えば、そういったやり取りが、今やっているブログのヒントともなりました。 「みんなスケールばかり考えていて、コードを軽視している」と思ったからです。 話は逸れましたが、初めて視察で訪れたバルモラルビーチで、最後に仕事が出来たのは、印象深かったです。 お店でも、十分地元の人との関わりはありました。 しかしそれはシドニー全域から集まってくる人たちなので、自分の居住区の住民という訳ではありませんでした。 演奏を通して、良い友達にも恵まれ、地域の人たちに溶け込めた実感を得た、そんな3ヶ月後に母が亡くなりました。
そこから僕の人生は全く変わったのですが… 思い返すと、色々と感謝な事もあったんだなと。
0 コメント
返信を残す |