海外で住んでいた時は、情報が少なかったです。
ネットもない時代でした。
だから人に尋ねたり、自分で考えるしかありませんでした。
もちろん本やテレビはありました。
でも、英語もポルトガル語も分からず、活用できませんでした。
だから考える時間が多かったです。
学校でも、仕事でも、とにかく質問しました。
先生、友達、先輩、仕事仲間、近所の人、僕の店の近所のオーナーたち。
教えてもらうのだから、頭を下げるしかありませんでした。
色んな人に助けてもらいました。
今と比較すると、検索もできず時間もかかりました。
でも、情報と行動を比較すると、圧倒的に行動の方が多かったです。
今ではその逆です。
だから何かを人に尋ねる前に、まず自分で検索せよ、と言う前提ができました。
自分の都合で他人に迷惑かけるなと。
電話をかけるなどもってのほか。
リアルタイムでいきなり人の時間を奪う、それがとてつもなく酷い事になりました。
シドニーで演奏の仕事中に、
Hugh Barrett(ピアニスト)がさらりと弾いたアルペジオが耳についたので、後から「あれ、どうやったの?」と訊きました。
ブレイクの時に彼は「マイナーメジャー9だよ」と弾いて見せてくれました。
ギターのそれとは違う響きに聞こえたので訊ねたのですが、以後僕の中に染み付いて、よく使うようになりました。
そんな具合で、リアルの体験の中で訊ねた、たった1分ほどのやりとりで、大きなリターンがありました。
僕の場合、それらの経験の積み重ねです。
リアルの経験や、自分でじっくり考え込んだものは、強いです。
忘れませんし、その後も成長して行きます。
反対に沢山のインプットの機会はあるものの、忘れてしまう事がほとんどです。
ようやく時間の使い方に決着がつきそうです。
インプットしたらアウトプットに何倍も時間をかける。
インプットに時間を費やすより、アウトプットに時間をかけた方がいいです。
どうせ忘れてしまう情報をインプットするより、失敗の経験を増やした方がいいと思います。