洋楽をよく聴いていたのは、80年代までです。 アメリカ留学時代は、車のラジオで聴く程度なのでよく分かりません。 30年後、音楽の楽しみ方は大きく変わりました。 80年代のものしか知りませんが、当時の大ヒットアルバムは凄かったです。 何がすごいかと言うと、「これでもか!」くらいにシングルカットするのです。 洋楽にハマるきっかけとなった、ビリージョエルの「イノセントマン」は、10曲収録のうち7曲もカットされました。 ドゥーワップやR&Bの「ビリージョエルバージョン」みたいなアルバムです。 軽快で、楽しいメロディばかりで売れ線オンパレードです。 ホーンセクションやコーラスワークのアレンジも楽しめます。 今と比べると、楽しみ方はかなり違っていました。 レコード時代は10曲収録(大体45分程度)が主流で、それはレコードの溝に原因があるそうです。 長くなると溝が緻密になり、音がやせ細ってしまうらしいです。 当時は45分じっとレコード(僕の場合カセット)デッキの前で鑑賞するものでした。 他の事をせず、音楽だけに浸ります。 集中力の持続と併せると、45分はちょうどいい感じでした。 A面、B面とストーリーがそれぞれあり、そして1枚を通してのストーリーも考えられています。 目をつぶって、ありがたく、心の景色の展開を楽しみます。 スローで、良い時代でした。 今の若者には信じられないでしょうが、音楽は主体的に聴くものでした。 「あなたへのおすすめ」などのノイズはありませんでした。 聴きたいアルバムと、聴くことの出来るアルバムのバランスが良かったと思います。 今では聴けないアルバムは皆無に近く、しかもほとんどが無料で聴けます。 「自分が本当に聴きたいアルバムとは?」など考える暇もなく、押し付けられます。 たった30年で大きく変わりました。 音楽そのものは変わらないけれど、流通と楽しみ方が変わりました。 もうアルバムを買う時代は終わりました。 残念ながら純粋な音楽鑑賞をする人の数は減り、今はむしろ参加して楽しむ時代です。 カラオケ、自分で演奏、オリジナル曲を公開、ファンを作る… 今や、自分がアーティストとなる、カヴァーまたはそのモノマネを楽しむのが普通の時代となりました。 だから昔の頭のままでいると、もったいないです。 昔は沢山の仲介屋が搾取していたのが悪かったです。 今は誰でも音楽を楽しみ、また発信もできます。 それはテクノロジーの発展による所ですが、純粋に喜ばしい事です。 昔は情報が限られており、メディアの洗脳が行き渡っていました。 今では細分化され、どんなジャンルでも恥と思いません。 好きな事を、好きなようにやれるのです。 だからやらない理由はなく、でもヒットを目指す必要もありません。 自分が好きなように、好きなペースでやれる事が大切だと思います。 そして末長く楽しめる環境を作る事が一つの目標だと思います。 今の若い人たちは40代以上と比べ、ありがたみを感じられないかも…と思います。 知ってるのが当たり前、やるのが当たり前、全て当たり前だからです。 オヤジであるほど、やれる事そのものに興奮できるはずです。 若者よりマシなのはこれでしょう。
自己満足であったとしても、幻想と現実のバランスを大いに楽しめる点です。 1枚のアルバムから7曲もシングルカットするような時代を楽しめたからです。
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